ヤノマミ族の血圧

ヤノマミ族が世界きっての低血圧民族であるという事実は医学界ではよく知られているようで、関野氏も試しに200人ほどのヤノマミ族の血圧を測定したそうです。その結果、収縮期血圧(高い方の血圧)が「120mmHgを超えた人は1人もいなかった」。高血圧かどうかの境界値の世界基準は「140mmHg(収縮期血圧)/90mmHg(拡張期血圧)」ですから、200人全員が収縮期血圧120mmHg未満というのは驚くべき数字です(関連記事)。

ヤノマミ族の血圧はなぜこれほど低いのか。それには、しょっぱいものを受け付けないという体質が関係しているようです。ヤノマミ族は「口にしない動物はほとんどない」(関野氏)というほどさまざまな野生動物を食べるため、当然そこに含まれる塩分は摂取します。それ以上の“余分な塩分”を摂取しないのです。

そもそも、わざわざ塩分を摂取しようとする習慣は草食動物に多いそうです。普段、植物という塩分の少ない物ばかりを食べているため、体が塩分を欲する。そこで、岩塩のある場所などに集まってペロペロと塩をなめるのです。ヤノマミ族は、自らは塩を求めない代わりにこうした草食動物の習慣を熟知していて、岩塩のある場所などに潜んで草食動物を狩るそうです。

アマゾンの先住民族の多くは感情を素直に表現できない“照れ屋”。ヤノマミ族は例外的に、感情を隠さず素直に表現するそうです。例えば、関野氏がご飯(白米)を火にくべて炊いていたりすると、「絶対にやってほしくないことをする。ふたを開けて中をのぞく(笑)」。こうなると、貴重なごはんでも分けないわけにいかなくなるのですが、「どうしても自分だけで独占したい時には秘策がある」。ごはんに味の付いた具などを混ぜて“味ごはん”にするのです。こうなると、ヤノマミ族に分けても「飲み込めずにペッと吐き出してしまう」。

 

塩分ひかめ大事ですね。

  • 投稿日:2018.2.16